NSC2000の活動
日本栄養改善学会学術総会発表報告
2002年度
〜 現在透析導入の第一原因となっている糖尿病性腎症の食事療法は今だ確立されていない 〜
目的と方法
今回我々は、「管理栄養士NSC2000のHPにアクセスした現在糖尿病性腎症の食事指導に携わっている」、または「過去一年以内に携わった栄養士」を対象に、HP上のアンケートを通 じて糖尿病性腎症の保存期と透析期に対する食事指導の現状から、今後の課題について分析しましたのでご報告致します。
回答者の内訳
まず、回答者の内訳ですが、年齢別に20〜24歳が2名、25〜29歳が5名、30〜34歳が9名、35〜39歳が5名、40歳以上が0名で30代前半の人が約半数近くいました。また勤務施設では、病院が9名、診療所・クリニックが11名、老人保健施設が1名となっていました。
使用媒体について
次に、使用媒体について、保存期においては、糖尿病交換表は病態に応じて指導、腎臓病交換表、糖尿病性腎症交換表は使用しないが多く、オリジナルで成分別 にピックアップしたものを使っての指導もありました。また交換表に対する意見として、糖尿病交換表では、量 の表示がしやすい、成分表へ移行しにくい、難しいなどがあり、腎臓病の交換表では、構成をたてるのに便利、説明しやすいという意見がある一方で、理解力が必要などもありました。糖尿病性腎症の交換表では、表別 でたんぱく質の多い食品分類があり便利という意見や、逆に実用的でない、難しい、成分表へ移行しにくいなどがありました。 透析期の使用媒体になるとグラフにお示ししました通り、交換表の利用者は少なくなっていました。
特殊食品の利用
次に特殊食品の利用について、その内訳は主に、低蛋白食品、高カロリ食品、減塩食品となっていました。その利用状況は、保存期と透析期を比較しますと、グラフにお示ししましたように透析期で全体的に特殊食品を利用する人が少なくなり、特に低タンハ ゚ク食品や高カロリー食品の利用者が少なくなっているのが判ります。しかし、透析期の食事において、半数の人が低タンパク食品を使っているのは意外な結果となりました。
砂糖と甘味料の利用について
砂糖使用についての問いには、保存期透析期ともに、ほぼ全員が、場合によっても含め考慮しており、甘味料の利用において、保存期、透析期ともに、腎臓病用甘味料である粉飴、テトラスター、糖尿病用甘味料であるマービーの使用割合にそれほど差がでず、今後の課題としてもう少し詳しく問う必要があると思われました。
糖尿病性腎症の食事指導について
最後に糖尿病性腎症全病期を通しての食事指導について、指導を行う上での難点としては、大きく分け、食事療法に対する混乱と患者さん自身の問題を挙げる人が多く、前者としてはエネルギーアップに対する抵抗や、糖尿病〜腎症への食事療法の切り替え、血糖値のコントロールと食事のバランスなどの意見があり、後者としては合併症の一つである視力障害、患者さんの病態に対する認識不足、糖尿病期からのコンプライアンスの悪さなどがありました。今後の栄養士が出来る働きかけとして、患者さんが理解し実行できる指導を行う為に、病態に対する危機感をもってもらう、継続的な指導があげられ、他に糖尿病の初期段階から栄養士が係わり合いを持つや、栄養士全体として統一された指導を行う、また予防的に健康人へ食教育を行っていくなどの意見がありました。
まとめ
糖尿病腎症における食事指導は使用媒体、特殊食品・甘味料の利用方法など、患者の病態に応じて指導者側の対応が多岐にわたっている。今後さらに、食事指導の現状を分析し、患者さんが理解し実行できるマニュアル作りを我々の手で作成することが期待されます。 最後に管理栄養士NSC2000のホームページにアクセスし、アンケートにご協力いただいた管理栄養士の方々に感謝致します。
会場風景
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発表スライド
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